桐生、公認2メートルなら「9秒96」
男子100メートル(タイムレース)は日本歴代2位の10秒01の記録を持つ19歳の桐生祥秀(19)=東洋大=が、3・3メートルの追い風参考ながら9秒87で優勝した。今季初戦だった桐生は中盤でトップに立ち、電気計時では日本初の「9秒台」で走った。慶大を卒業してセイコーホールディングスに入社する山県亮太は10秒15(追い風参考)で8位だった。
桐生がマークした9秒87の参考記録は、記録が公認される条件下ではどの程度のタイムだったと想定されるのか。風速が記録に及ぼす影響を算出した専門家の研究データに当てはめると、公認される範囲ぎりぎりの追い風2・0メートルだった場合、9秒96で走った計算になる。
無風の中、10秒00で走った場合、追い風3・3メートルでは0秒247速くなり、追い風2・0メートルでは0秒161のアドバンテージが得られるという。このデータを使って、桐生の今回のタイムをいったん無風の条件に戻すと10秒12になり、さらに追い風2・0メートルのアドバンテージを加味すると9秒96になる。
桐生が2013年4月の織田記念国際で10秒01を出した際の追い風は0・9メートルだった。これを同じ研究データに当てはめると追い風2・0メートルなら9秒93が出た計算になる。