北島、代表復帰逃し引退示唆「考える」

 「競泳日本選手権」(8日、辰巳国際水泳場)

 男子100メートル平泳ぎで、アテネ、北京五輪で2大会連続2冠の北島康介(32)=日本コカ・コーラ=が1分0秒18で3位となり、代表復帰はならなかった。進退については「これから考えたい」と話し、現役を退く可能性も示唆した。2連覇の小関也朱篤(23)、2位の立石諒(25)=いずれもミキハウス=は派遣標準記録を突破し、世界選手権(7~8月、ロシア)代表に内定した。男子100メートル背泳ぎでは入江陵介(25)=イトマン東進=が2連覇し、代表入りを決めた。

 季節外れの大寒波と冷たい雨が襲ったこの日、復活を期した元金メダリストが惜しくも散った。北島は3位に終わり、「桜のように散りましたね。来年?咲かせたい気持ちはあるけど」と、現役続行か引退かで揺れる心境を表現した。

 決勝は接戦となった。後半、前の2人を猛追したが、「前半あと0秒3早ければ勝負できた」と序盤の遅れが響き、派遣標準記録と同タイムで泳いだ2位の立石には0秒14届かなかった。

 レースを終え、「久々の戦いの舞台にチャレンジできてよかった」と、まずは充実感を漂わせた。一方で、「国内だったら勝負できる気持ちはあるけど、世界で戦うとなると話は別」と、世界の第一線を見据え、現役を退く可能性も示唆した。

 昨年の日本選手権は同種目で7位と惨敗し、休養した09年を除いては00年以来守ってきた代表の座を初めて失った。復活を懸けた今季、2月には約7年ぶりに米フラッグスタッフで過酷な高地合宿を敢行。「追い込めばケガのリスクもあるけど自分はそれをやらなきゃいけない」と、32歳の体にむちを打った。

 100メートル平泳ぎの1種目に絞り、強い覚悟で臨んだ今大会だったが、惜敗。平井コーチは「よくここまで立て直したなと思う」と愛弟子をねぎらう一方で、「まだ出し切ってないんじゃないの?今後どうするかは2人で話し合いたい」とした。

 北島は「(答えは)2つに1つしかない。これから考えて、早めに決断したい」と話し、今後の競技生活について近日中に結論を出す考えを示した。

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