照ノ富士、怒りパワーで逸ノ城“瞬殺”
「大相撲夏場所・4日目」(13日、両国国技館)
関脇照ノ富士は小結逸ノ城を上手投げで下し、3勝目を挙げた。初、春場所と2場所連続で水入りしていた対決だったが、立ち合いを合わせない相手に怒りを爆発させ、7秒7で“瞬殺”した。佐田の海は横綱日馬富士を破り、初金星。横綱白鵬は豊ノ島をはたき込み1敗を守った。3大関はそろって敗れた。
照ノ富士が怒りをパワーに変えた。立ち合いで2度呼吸が合わず、いずれも自ら先に立ち上がって仕切り直した。「先に手をつかせてやろうと思ったけど、全然つかないので、こんなにつかないのなら、合わせることないと頭にきた」。ようやく両者が立った3度目では、怒りを込めた右で張り、瞬時に右四つに組み止めた。
「先に上手を取れば自信がある。逆に上手を取られたとしても、オレは残せる。相手の重さは感じなかった」と、一気の左上手投げで鳥取城北高の後輩を仕留め、してやったり。北の湖理事長(元横綱)は「照ノ富士はこの一番への意気込みが強かった。気迫を感じた」と絶賛した。
先場所まで2場所連続水入り(初場所=4分46秒8、春場所=3分53秒3)となった因縁の一番を会心の速攻相撲で制した。国技館を出る際には「オレは怒ると気合が入る。今日は今場所初めて気合が入った。それにしても(逸ノ城には)腹が立つ」と怪気炎。照ノ富士が乗ってきた。