萩野、全治2カ月 骨折で世界水泳断念
競泳男子エース、萩野公介(20)=東洋大=が3日、都内で会見し、右肘橈骨頭(とうこつとう)骨折で全治2カ月と診断されたため、世界選手権(24日開幕、ロシア・カザニ)の出場を断念すると発表した。フランスで合宿していた6月28日、自転車で練習場所に移動中に転倒。2日に緊急帰国し、3日に都内の病院で精密検査を受けた。
リオデジャネイロ五輪の金メダル候補が、悲劇に見舞われた。右腕をギプスで固めた痛々しい姿で登場した萩野は「皆さんに申し訳ない。調子が上がってきていただけに残念」と目を伏せた。
アクシデントが起きたのは6月28日。宿舎から自転車で練習プールに移動中、転んで右手をついた際、右肘の関節の中にある骨が割れたという。金岡チームドクターは「ギプスが取れるまで1カ月半くらい。骨が固まるのを待てば元通りに治る」と説明した。上野強化担当常務理事は「移動手段に自転車を使わせたことを猛省している。すべて私の責任」と頭を下げた。
五輪での金メダル獲得プランにも暗雲だ。世界選手権で金メダルなら五輪代表に内定するため、今夏に五輪切符を手にし、来夏にピークに持っていく予定だった。欠場が決まったことで、五輪代表選考会を兼ねた来年4月の日本選手権で結果を出す必要があり、方針転換を余儀なくされた。
昨年末には右肩を負傷。5月のジャパンオープンでは体調不良に加え、試合ではゴーグルが外れるなど不運続きだ。それでも萩野は「リオで金メダルを取るという強い気持ちを持って、しっかり治します」と前を向いた。逆境からもう一度はい上がる。