新国立競技場、総工費1550億円上限
政府は28日、2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場(東京都新宿区)の関係閣僚会議を開き、総工費の上限を1550億円とする新整備計画を決定した。完成時期については20年4月としたものの、国際オリンピック委員会(IOC)の意向を踏まえ、20年1月への前倒しを目標にする。新施設は原則として競技機能に限定し、観客席用の冷房設備を取りやめるなど経費を1千億円以上圧縮した。
総工費が2520億円に膨張し、計画撤回に追い込まれた新競技場の整備が再始動するが、大会まで5年を切り、綱渡りの作業となりそうだ。
官邸での会議で、安倍晋三首相は「20年に間に合うよう、確実に完成させる必要がある」と強調。議長の遠藤利明五輪相は会議後の記者会見で、総工費に関し「国民に十分理解してもらえると思う。今後も情報公開を進める」と述べた。旧計画が未公表の関連工事などを含め2651億円だったことも明らかにした。これを基準にすると、圧縮幅は約1100億円になる。