九重親方、今夏すい臓がん手術していた
7月の大相撲名古屋場所を内臓疾患で全休した元横綱千代の富士の九重親方(60)が13日、早期の膵臓(すいぞう)がんで手術を受けていたことを明らかにした。1カ月ほど入院し、7月下旬に退院した。
同親方は60歳の誕生日の前日にあたる今年5月31日に、両国国技館で赤い綱を締めて太刀持ちに白鵬、露払いに日馬富士と2人の現役横綱を従えて還暦土俵入りを行ったが、その後にがんが見つかったという。
土俵入りの時は116キロだった体重は13キロほど減ったというが、体調は良好で「大丈夫だよ。健康体だ」と張りのある声で話した。現在も治療は続けているものの、秋場所は通常通り、館内で無気力相撲の有無をチェックする監察委員の職務に当たる。
同親方は現役時代は「ウルフ」の愛称で親しまれ、120キロ台の体重ながら豪快な上手投げで巨漢力士を投げ飛ばして絶大な人気を誇った。史上3位の31回の優勝を記録し、1989年には角界で初めて国民栄誉賞を受賞した。