白鵬連敗で休場へ 左膝の治療優先

 「大相撲秋場所・2日目」(14日、両国国技館)

 横綱白鵬が平幕の嘉風に引き落とされ、07年名古屋場所の横綱昇進以降、在位49場所目で初めて初日から2連敗を喫した。取組後、師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)と話し合った後、病院で診察を受けた。場所前に左膝を痛めており、休場の可能性を問われた同親方は「8割方そうなる」と話し、3日目からの休場が決定的となった。嘉風は3個目の金星。横綱鶴竜と、大関陣では照ノ富士、稀勢の里、琴奨菊が2連勝とした。

 そこに史上1位の幕内優勝35回を記録した最強横綱の姿はなかった。立ち合いの踏み込みが浅く、まわしが取れない白鵬は、嘉風の素早い動きに翻弄(ほんろう)された。最後は両足がそろったところを引き落とされて土俵に両手をばったりついた。初日の隠岐の海戦に続いて、まさかの敗戦。結び前の一番にもかかわらず、満員札止めの館内からは座布団が乱れ飛んだ。

 横綱昇進後は一度の休場もない。初日からの連敗スタートは、横綱になってから初めて。さかのぼっても、小結だった05年九州場所で初日に朝青龍、2日目に玉乃島(現放駒親方)に敗れて以来10年ぶりのことになる。

 2連敗に、支度部屋では弱気なコメントが続いた。「相手(の動き)に合わせるも何も踏ん張り切れない。初めての感覚なので、よく分からない」と力なく話した。

 場所前の伊勢ケ浜一門の連合稽古で痛めた左膝の状態が思わしくない。取組後に墨田区内の病院で検査を受け「(膝の)皿がちょっとね。(出場の判断は)今はまだ分からない」と述べた。15日朝に磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受けて最終的に判断するが、宮城野親方は「この1カ月は休んだ方がいい」と治療を優先させる意向を示した。

 休場すれば大関時代の06年九州場所以来3度目で、横綱昇進後は初。史上1位の横綱連続出場は722日で、同1位の連続2桁勝利と昭和以降2位の連続勝ち越しは、ともに51場所で途切れる。

 夏巡業中の8月15日には、右足親指の付け根に原因不明の痛みを訴えて朝稽古と取組を回避。治療を受けて回復、すぐに取組にも復帰して巡業も最後まで務め上げた。4日の横綱審議委員会の稽古総見では、土俵が柔らかいという理由で申し合いを回避するなど慎重に調整を進めた。しかし、本来の動きが見られず、休場を選択することが確実となった。

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