最強横綱白鵬、ついに休場
「大相撲秋場所・3日目」(15日、両国国技館)
横綱白鵬(30)=本名ムンフバト・ダバジャルガル、モンゴル出身、宮城野=が秋場所3日目の15日、日本相撲協会に「左大腿(だいたい)四頭筋腱(けん)炎で4週間の加療を要する見込み」との診断書を提出し、同日から休場した。白鵬の休場は初土俵から通算3度目、大関時代の06年11月場所以来9年ぶりで、07年7月場所の横綱昇進以降では初めてとなった。
常に指定席である東の支度部屋の一番奥に、いつもいた白鵬の姿がなかった。横綱昇進から約8年、48場所にわたって土俵に立ち続け、史上1位の幕内優勝35回を誇る最強横綱がついに本場所から不在になる日が訪れた。
初日に隠岐の海、2日目に嘉風を相手に全く自分の相撲が取れずによもやの連敗を喫した。前夜に引き続き、病院で検査を受け、太ももと膝蓋骨(しつがいこつ)をつなぐ大腿四頭筋腱に炎症が認められ休場を決断。「皆さんに申し訳ない。中途半端な気持ちで土俵には上がれない」とファンに謝罪した。
抜群の安定感でここ数年は“1強独走”の体制を築き上げてきた。ここから角界の勢力図が大きく変化していく可能性もあるが、北の湖理事長は「そこは変わらないでしょう。白鵬の盛り返しは十分にある」と第一人者の座は揺るがないと説明。ただ、この負傷から立ち直るのは容易ではないことも強調した。
「安心はできないと思う。若い時と、30歳になってからでは体が違う。そこを補うためには稽古をしないと。筋肉が落ちてくるからね」と楽観視できないとの見通しを語った。九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)での再起を目指して、10月8日から始まる秋巡業に途中参加することが濃厚。復活へ向けて白鵬の新たな戦いが始まる。