内村航平、4カ月ぶり復帰戦へ肉体改造
「体操・全日本シニア選手権」(20日開幕、鯖江市総合体育館)
体操の全日本シニア選手権の前日練習が19日、福井県鯖江市総合体育館で行われた。左肩痛から4カ月ぶりの復帰戦となる内村航平(26)=コナミスポーツク=は、患部の肉体改造と強化に成功。12年ロンドン五輪を上回る、過去最高難度の演技に挑む考えを示した。
日本のエースは、実戦から遠ざかっていた4カ月を無駄にはしていなかった。
「少し張ってる感じはあるけど、ほぼ痛みも違和感もなくて」と左肩の順調な回復に笑みを浮かべた内村。痛めた5月から夏場にかけて、特別なアプローチを取り入れ、肉体改造と強化に取り組んだ。
「使ってなかった肩の筋肉を刺激して、バランスよく筋肉を作っていった」と加藤裕之監督(51)は説明。ゴムチューブを使い、あらゆる角度から腕を動かして、筋肉を組織から見直した。より安定した演技を生み出す肉体も手に入れた。「調子はいい。日々成長している」(加藤監督)と、故障前よりパワーアップしたことも示唆した。
1カ月後に迫った世界選手権(英グラスゴー)に向けて、ゆかと平行棒で技の難度をさらに上げた。6種目合計のDスコア(演技価値点)は39・4点。目指すのは団体総合制覇と個人総合6連覇だ。
「今まで練習してきたことを120%出す」と、自己最高難度の演技に果敢に挑む。見据えるのはもちろん来夏のリオデジャネイロ五輪。「ここから弾みがつけられるように、着地までまとめていきたい」と力を込めた。エースが完全復活を宣言する。