エディー日本3勝敗退なら史上初
「ラグビーW杯・1次リーグB組、日本-米国」(11日、グロスター)
1次リーグB組でスコットランドがサモアを36-33で下して準々決勝進出を決め、日本は11日(日本時間12日早朝)の米国戦を前に1次リーグ敗退が確定した。日本は9日、米国戦のメンバーを発表。ここまで出場機会のなかったチーム最年少、22歳のWTB藤田慶和(早大4年)が初めて先発入りした。エディー・ジャパン4年間の総決算と位置付けられた試合に備えて日本は10日、試合会場で最終調整を行った。
世界を驚かせた奮闘も目標のベスト8には届かなかった。歴史を塗り替えてきた日本の夢は最終戦を待たずしてついえた。残された米国戦は、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が「3勝すれば、今大会を代表するようなチームになる。集大成を示す」という使命に切り替え、全力を尽くす。
今大会前までW杯では通算1勝2分け21敗。負け癖を変えるため、同HCは優勝候補の南アフリカにも立ち向かう意識改革に取り組んだ。「本気で勝ちにいく」と選手に訴え続けてきた思いはW杯史上最大の番狂わせを起こし、サモアにも快勝して1大会2勝という初の快挙につながった。
ただ、初戦を重視したため、実力的に2位争いが予想された中3日のスコットランド戦に主力を温存することはできなかった。結局この1敗が響き、関係者は「だからといって南アフリカ戦を捨てれば全敗もあり得た。意識を変えることが先決で、結果はついてくるという考えだったはず」とHCの胸中を推測した。
「やることは変わらない」。1次リーグ敗退の可能性を想定し、こう仲間に声を掛けてきたフランカーのリーチ・マイケル主将は「負ければこれまでの2勝がたまたまだと思われる。日本のラグビー界を盛り上げるラストチャンス」と最終戦の意義を語った。勝てば、3勝して1次リーグで敗退する初のチームとなる。