内村床で頭部強打「結構危なかった」
「体操・世界選手権」(26日、グラスゴー)
男子予選が行われ、団体総合の日本が来夏のリオデジャネイロ五輪出場を決めた。団体総合で25日(第3日)に演技した日本は6種目合計358・884点で9チームを残して暫定首位を守っていた。
個人総合は史上最多6連覇が懸かる内村航平(26)=コナミスポーツク=が90・564点でトップを維持したが、内村は25日の床運動の演技で頭部を強打するアクシデントがあった。
上位8チームによる団体総合決勝は28日に行われ、予選の得点は決勝に持ち越さない。
床運動の演技を終えた内村が、両膝に手をついて苦悶(くもん)の表情で立ち止まった。「これが脳振とうかというくらい、目の前が半分ほど真っ暗になりかけた」。前方宙返りでそのまま頭からフロアに飛び込んで前転する技で、回転が足りずに頭部を打ちつけたという。
「小学生の時、コンクリートに頭から落ちたことがあるが、同じくらい結構危なかった」。アクシデントがエースを襲った。
跳馬で今季から挑戦する大技「リ・シャオペン」を決めるなど、前半3種目は絶好調だった。暗転の要因は、審判団の不手際。前の演技者の採点で10分近く待たされ「末端冷え性」の体が固まった。「若干いらついた」と心も乱れた。
残り2種目を気合で乗り切り、合計90点を超えたのは王者の底力だが、「一夜明けないと影響は分からない」と森泉コーチ。決勝へ不安が残った。