佐々木、名門旭化成から五輪代表名乗り
「福岡国際マラソン」(6日、平和台陸上競技場発着)
16年リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねて行われ、ベテランの佐々木悟(30)=旭化成=が2時間8分56秒で日本人トップの3位に入り、初の五輪出場へ前進。前年覇者で元世界記録保持者のパトリック・マカウ(30)=ケニア=が2時間8分18秒で連覇を達成した。
次々と日本人が脱落していく中で、最後に残ったのは一般参加の佐々木だった。2時間3、4分台の記録を持つ外国人に食らいつき、自己ベストを1分近く上回る2時間8分56秒で3位。リオ五輪代表切符をグッと引き寄せても「タイムを狙っていたのでうれしいのが半分と悔しいのが半分」。笑顔が少ないのは、このレースにかけていた証しだ。
「福岡に向けていろんなことをやってきて状態は上がっていた」。大分での今年の夏合宿。クロスカントリー中に、突然スタミナ切れした。「力が入らなくなった」。原因を探ろうと、母校の大東文化大で血液検査や体のバランスを測定。まず。食生活を改善した。
妻の彩さん(27)の協力でエゴマ油などから必須脂肪酸を摂取。炭水化物を減らし、体重も3キロほど落とすことで体調を整えた。体のバランスも測定し、「左足が右の半分くらいしか使えていない」という弱点をウエートトレで克服した。
また“早食い”がスタミナ切れの原因の一つだと認識。「ゆっくり食べるように努力した。一口食べるとお箸を置いて、また食べるようにした」と悪癖も直した。できることはすべてやって挑んだ福岡だった。
今月15日は、2年前に結婚した彩さんとの結婚記念日。その前に「自己ベストが出てよかったかな」と胸をなで下ろした佐々木。名門旭化成からは、2000年シドニー五輪からマラソン代表は出ていない。入社3年目から主将を務める苦労人が、名門復活への足がかりをつかんだことは確かだ