常翔、車いす主将の思い届かず初戦敗退

 「全国高校ラグビー・2回戦、天理5-3常翔学園」(30日、花園ラグビー場)

 2回戦16試合が行われ、ノーシードで2年ぶり62度目出場の天理(奈良)が5-3でシードの常翔学園(大阪第3)を破った。

 「決まってくれ」-。常翔学園の主将・金沢功貴(3年)の思いは届かなかった。試合終了1分前、決まれば逆転となるPG。ゴールやや右約40メートルからのキックは、無情にも左にそれていった。

 主将の背番号は25。グラウンドには立てない。1年夏に練習中の事故で頸椎(けいつい)脱臼骨折を負い、車いす生活を余儀なくされた。それでも主将に抜てきされ、ピッチラインの外からチームを一つにまとめてきた。

 この日もベンチで共に戦った。「最後まで諦めずプレーしてくれた。僕をキャプテンにして、ここまで連れてきてくれた。一生大事にしたい仲間です。常翔でみんなとラグビーができてよかった」

 チームとしては3シーズンぶり、自身は最初で最後の花園。主将の足跡はしっかり聖地に刻まれた。卒業後は摂南大に進学予定だ。

 「ちょっとずつ手を動かせるようになってきた。自分のできることを増やしていきたい」。再び仲間とラグビーをする日を夢見て、リハビリを続ける。

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