東海大仰星お見事3冠!38連勝締め
「全国高校ラグビー・決勝、東海大仰星37-31桐蔭学園」(11日、花園)
東海大仰星(大阪第1)が桐蔭学園(神奈川)に37-31で勝ち、2大会ぶり4度目の優勝を果たし、前回大会の東福岡に続き、選抜大会と7人制大会を含めた3冠を達成した。12-17の前半終了間際、フランカー真野泰地主将(3年)の同点トライから逆転。就任3年目で2度目の優勝を飾った湯浅大智監督(34)が作り上げた常勝軍団は、公式戦38連勝で締めくくった。5大会ぶり2度目、初の単独優勝を狙った桐蔭学園は2大会前の決勝で敗れた相手への雪辱はならなかった。
171センチの体に仲間の思いが乗り移った。前半29分、ゴール前8メートルでボールを受けた真野は相手に頭から突っ込んだ。体も右足もつかまれながら2人をはがし、さらに2人を抜いた。最後は2人の壁を押し切ってゴールに転がり込んだ。
6人突破の豪快な同点トライ。ゴールも決まり19-17と逆転して折り返すと、後半は東海大仰星が完全に支配。最後まで粘った桐蔭学園を振り切った。
真野は痛む右足を試合後は引きずっていた。「自分一人ではできなかった。応援してくれる人、みんなの分」。仲間がいたから限界を超え動いた。湯浅監督は「真野は素晴らしい」と最敬礼した。
3冠を達成し、2大会ぶりのV。表彰式後は観客席に全力で駆け付け、スタンドと一体になり校歌を合唱した。グラウンドでの校歌は、初優勝以来16大会ぶり。当時選手だった監督は、感動の涙が止まらなかった。生徒の手で3度の胴上げが2度行われ、6度も宙に舞った。
“湯浅流”指導法が結実した。ゴミを拾うのでなく「探す」。合宿では選手を2人ペアにさせ、30秒褒め合う。「隠れているものを見つける。そのことが『気付き』につながる」。仲間のサポートにすぐさま向かう鉄壁防御は日常から「気付く」ことで生まれた。
前回大会で東福岡に敗れて以降、公式戦38連勝締めだ。名将・土井崇司前監督(56)=現東海大テクニカルアドバイザー=は「スター不在の中、これほどとは」と、まな弟子を絶賛。常勝「湯浅仰星」は完成した。