遠藤 初場所休場で来場所十両転落確実
「大相撲初場所・7日目」(16日、両国国技館)
東前頭11枚目の人気力士、遠藤が日本相撲協会に「右足関節捻挫で2週間の安静加療が必要」との診断書を提出して休場した。再出場せず治療に専念する意向で、来場所の十両転落が確実となった。休場は左膝に重傷を負った昨年の春場所以来3度目。先場所痛めた右足首を悪化させ、6日目まで1勝5敗と苦しんでいた。横綱白鵬は逸ノ城を上手投げで退け、碧山を突き落とした大関琴奨菊とともに、全勝は2人となった。
体も気力も限界だった。遠藤は、昨年の春場所で左膝の半月板を損傷し、前十字靱帯(じんたい)を断裂する重傷。痛みに耐えながら土俵に立ち続けたが、先場所、右足首を捻挫した。
まわし以外は土俵で付けない“美学”を曲げ、今場所は右足首、左膝にサポーターを巻いていた。執念も実らず、1勝5敗と本来の相撲とはほど遠く、ついに休場となった。
診断は「右足関節捻挫」。師匠の追手風親方(元幕内大翔山)によると、14日の朝稽古でひねったことが「致命傷」になった。前日、話し合い「徹底的に治す」という結論で一致した。
左膝をかばった影響で右足首を痛めた。さらに左膝も完治しないまま負担をかけたことで、半月板も悪化させるなど満身創痍(い)だった。師匠は、今場所は治療に専念し、復帰しないと明言。来場所、十両への転落は確実になった。
同親方は「手術より安静」と話し、手術は回避する見込み。ただ「十両、幕下に落ちようが、100パーセント近くになるまでは」と完全に治す方針で、来場所の休場の可能性も示唆した。
十両中位までの降下が予想される春場所を全休すれば、関取の地位までも失う。八角理事長(元横綱北勝海)は「力があれば戻って来られるんだから。精神的には強い力士」と、人気力士の早期復帰を願った。