力士がサイコロ賭博?匿名の手紙届いた

 日本相撲協会の危機管理委員長で外部理事の宗像紀夫氏(元東京地検特捜部長)が11日に大阪市内のホテルで開かれた理事会で、数人の幕内力士がサイコロ賭博をしていたという匿名の手紙を1月に受け取り、危機管理委員会で協議したことを報告した。信ぴょう性が十分ではなく、審議も含めて早急に調査するという。巨人の野球賭博問題が大騒動となっている中、角界でも仲間内での賭け事をめぐる問題が浮上。春場所(13日初日・エディオンアリーナ大阪)を直前に控え、大きな衝撃が走った。

 宗像理事によると、現役力士が賭博をしているという匿名の手紙が1月、相撲協会を通じて危機管理委員長である同理事に届いた。それを受けて「(2月の)危機管理委員会で協議した」という。

 手紙には、サイコロ賭博で数人の幕内力士の名前が出ていたという。同理事は「書いていることが本当かどうか分からん。(情報源を)特定するのは難しい。軽い金額を賭けていたら賭博性はない」と信ぴょう性に疑問を抱きながらも、「もみ消したと言われないようキチッと調査する。協会として詰めて、キチッとした対応をする」と話した。

 大相撲では2010年に反社会的勢力を胴元とした野球賭博問題が発覚し、現役大関だった琴光喜や当時の大嶽親方(元関脇貴闘力)が解雇処分を受けた。最近ではプロ野球界の野球賭博が問題となっているさなかであり、八角理事長(元横綱北勝海)は「どこの誰が言ってきたのかわからないし、信ぴょう性はどうなのか」と困惑する一方で「勉強会をやらなきゃダメ」と話した。1日の力士会で会長の白鵬が「巡業中に賭け事と疑われるような行為はしないように」と呼びかけたのも、今回の件を踏まえてのこととみられる。

 名前が出ていた数人の幕内力士には、すでに調査が入っているとみられるが、春場所には出場する。

 13日には琴奨菊が綱とりをかける春場所初日を迎える。宗像理事は結論の時期について「間もなく。そんなにかからない」と早期決着を目指している。

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