八角理事長再選 全理事の団結目指す
日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で理事会を開き、八角親方(52)=元横綱北勝海=が理事長に再任された。評議員会で選任された親方10人の理事による互選で、貴乃花親方(元横綱)との一騎打ちを制した。出席者によると、推薦を受けた八角、貴乃花両親方を除く多数決で6対2だった。任期は2年。会見した八角理事長は、昨年死去した北の湖前理事長(元横綱)の遺志を継ぐ土俵の充実と、全理事一丸となっての協会運営を誓った。
協会トップを決める理事会は、わずか5分で終わった。八角親方は尾車親方(元大関琴風)から推薦を受け、続いて理事として総合企画部長などを務める貴乃花親方が、盟友の山響親方(元幕内巌雄)から推薦を受けて立候補。2人を除き、挙手による採決の末、6対2で八角親方に軍配が上がった。
堅実な協会運営で幅広く支持を集めた。再任を受け、会見した八角理事長は会見の冒頭「私は江戸時代から続く大相撲、ちょんまげ文化を守ってきた先輩たちを誇りに思っている。この文化を後輩につないでいく責任がある」と決意を表明した。
今後の協会運営については「それ(投票結果)はこれで終わり。協会は一丸にならなければいけない」と語った。一騎打ちとなった“遺恨”を残さず、全理事が一致団結して相撲界の発展を目指す方針を打ち出した。
新理事の役職分担に関して、尾車親方がNo.2の事業部長に再任されることが決定的。巡業、広報、審判、地方場所の各部長は30日に発表されるが、貴乃花親方の“処遇”が注目される。
「何期務めるかは今なったばかりで分からないが、一番は土俵の充実。相撲を100年後も同じ形で残していきたい」。第2次八角政権が船出した。