蘭菜 東京のホープ“未来少女”リオへ
「トランポリン・五輪最終予選」(19日、リオ五輪アリーナ)
テスト大会を兼ねて行われ、女子で出場枠を獲得した18歳の中野蘭菜(星稜ク)が初の五輪出場を決めた。中野は予選7位で、既に五輪出場を決めていた国・地域を除く国・地域別順位で3番目となり、今回の最終予選で与えられる5枠以内に入った。日本体操協会の選考基準により、代表に決まった。8選手による決勝では6位だった。ロンドン五輪代表の岸彩乃(23)=金沢学院大ク=は予選15位で、2大会連続の出場はならなかった。
逆境をはねのけ、五輪切符をつかんだ。中野は4歳の時に人見知りを直すため、母に連れられて行ったトランポリン教室で競技を始めた。「うれしい。両親に(五輪に)出られたよ、と言いたい」とはにかんだ。
戸惑いながらの演技だった。13日から4日間、ブラジル北東部アラカジュで合宿したが、西川コーチによると「練習量が多すぎた」ことが裏目に出て、調子は万全ではなかったという。さらに「(大会の)台が合わなかった」と中野。「予備ジャンプで縦横にずれ、一番いいジャンプから入れなかった」と振り返る。
それでも練習で徹底したように、首を上げて姿勢をまっすぐに保った。演技には高さもあった。「日本の女子では自分しかできない」と胸を張る3回宙返りと2回宙返りひねりのつなぎも安定。西川コーチは「苦しんだけど素晴らしい演技だった。彼女の勝負強さが出た」と目を細めた。
日本体操協会・山本宜史トランポリン強化本部長も「よく頑張ってくれた。調整は失敗したのに、五輪出場枠を獲得できた。さらに精度と演技力を上げてほしい」と期待する。
一昨年の南京ユース五輪で銀メダルに輝いた。東京五輪のホープとして、期待に応える成長曲線を描く。五輪本番へ「決勝に出たい」と意気込んだ。
名前の「蘭菜」は、テレパシー能力を持つ「未来少年コナン」のヒロイン、ラナから。トランポリン界にも新ヒロインが誕生した。