錦織 被災地にマットレス1000枚
「男子テニス・バルセロナオープン」(22日、バルセロナ)
3連覇を狙う第2シードで世界ランク6位の錦織圭(26)=日清食品=が22日、自身の公式ブログを更新し、熊本地震の被災者が生活する避難所にマットレス1000枚を送ることを明らかにした。シングルス準々決勝では、第11シードで世界ランク30位のアレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)を7-5、6-0で下し、準決勝に進出した。
遠く離れたスペインでも、錦織の心は日本に向けられていた。ブログによると、数日前にバルセロナに到着。熊本地震についてはニュースで見ているという。
「熊本では避難生活が長引きそうで、避難されている人からは、避難疲れから体調面の不安を口にする人も多いと聞いています。今、自分ができることを考え、自分も使っているマットレスを1000枚、避難所へ送ることにしました」
被災者が少しでも眠れるように、支援物資としてマットレス1000枚を選んだ。「まだまだ数は足りないかもしれませんが、一人でも多くの人の体を休められるのに役立ってもらえばと思います」と気遣った。
熊本への思いも胸に臨む大会。準々決勝の相手は過去4戦全勝と得意にしながら、クレーコートでは今回が初対戦のドルゴポロフだった。第1セットは相手の強烈なサーブに苦戦。一時はセットポイントを握られながらも、粘って7-5で奪うと、第2セットは一方的な展開でものにした。
準決勝では世界ランク22位で第6シードのブノワ・ペア(フランス)と対戦する。過去の対戦成績は2勝2敗。もっとも、昨年の全米オープン1回戦、楽天ジャパン・オープン準決勝と連敗しているだけに、負けられない相手だ。
ブログは「もう少しの間、みなさんには踏ん張って、この苦難を乗り越えてほしいです。たくさんの子供たちの笑顔が見られるように、僕もテニスコートに全力で向かいます」と締めくくっている。赤土での戦いに、錦織は結果を出し続けていく。