大相撲 理学療法士が新弟子検査に臨む
大相撲夏場所の新弟子検査が27日、東京・両国国技館であり、理学療法士の資格を持つ今井祥樹(22)=式秀=ら12人全員が体格基準(167センチ、67キロ以上)をパスした。内臓検査の結果を待って、初日に合格者が発表される。
国家資格を取得した異色の22歳が新弟子検査に臨んだ。今井は3月に東京医療学院大を卒業し、理学療法士の試験に合格したばかり。「まだ免許が届いてないんです」と苦笑いしつつも、試験と違った緊張感から解放されてホッとした表情を見せた。
中1で168センチだった体を買われて砲丸投げを始めた。ただ、その後身長はあまり伸びず、大学進学を考えるころには陸上部で競技を続けることに引け目を感じた。「もともと体のことに興味があった。国家資格が取りたかった」と東京医療学院大へ進学。地元・神奈川の陸上クラブ「ニューモードAC」に所属し、理学療法士の勉強と並行して砲丸投げに励んだ。
トレーニングの参考にしようと昨年2月、式秀部屋に電話をかけて1人で見学した。式秀親方(元幕内北桜)の誘いや年齢制限ギリギリだったこともあり、「やるなら今しかないな」と一念発起した。
入門してまだ数日だが、理学療法士の知識を生かして兄弟子の体の相談にも乗る。「体のことで貢献できる部分もあると思う。動きの分析とかも相撲に生かしたい。相撲経験はないが、やるからには関取を目指したい」。172センチ、97キロと決して大きくないが、動作の専門家は相撲道も究める覚悟だ。