白鵬に思わぬ弱点「猫は怖いんだ」
最強横綱が思わぬ弱点を露呈した。3日に出稽古した東京都中央区の荒汐部屋の稽古場に、白鵬(31)=宮城野=の悲鳴が響いた。土俵の上では奇手「猫だまし」を披露したこともある横綱なのに、「猫は怖いんだ」と衝撃の告白。出稽古では正代ら若手力士を圧倒したが、その後に対面した荒汐部屋の飼い猫モルに猫だましは通じず、黒星を喫していた。
中国・内モンゴル自治区出身の蒼国来がいる荒汐部屋には雄猫モル(別名・猫親方)というペットがいる。ネコブームに乗ってテレビや雑誌に取り上げられ、上がり座敷で静かに稽古を見守るモル見たさに、多くの人が集まるほどの人気者だ。
稽古後にモルと対面した横綱は「モルってモンゴル語で猫。へえ、それが名前なんだ?太ってるね。相撲部屋だから、いいもの食ってるのかなあ」と軽口をたたいていたが、平然としていられたのはそこまでだ。
昨年11月の九州場所で栃煌山に猫だましをした横綱。報道陣から「抱っこを」とリクエストされると、「やめてくれよ。ネコは怖いんだ。かまれそう」と真顔で拒否。大自然でオオカミと遭遇したこともある横綱とは思えない発言だが、意を決して「じゃあ抱いてみるか」。モルの尻尾をつかんで手元に引き寄せ、抱き上げるまでは豪快だったが、腕を引っかかれると「痛い、痛い、爪が痛い」とすぐに手を離してしまった。
稽古の方は上々。若手の正代や新入幕の錦木をつかまえて20番。張り差しや豪快な投げで圧倒すると、「(本場所で)いいものを見せられるかな」。モルが去ったのをしっかりと見届け、自らの安全を確認すると、横綱は自信の笑みを浮かべた。