志水、故郷熊本への思い胸に奮闘星
「水球・男子ワールドリーグ予選、日本21-5中国」(10日、横浜国際プール)
開幕し、リオ五輪代表の日本は1次リーグ初戦で中国に21-5で大勝した。開始早々に主将の志水祐介(27)=ブルボンKZ=の得点で先制。速い展開で主導権を握って第1ピリオドで6-0とリードし、その後も着実に加点した。11日は米国と対戦する。欧州以外の決勝大会進出国4カ国を決める今予選には、日本が五輪1次リーグで対戦するオーストラリアやブラジルを含む6カ国が出場する。
熊本市出身の志水主将が、熊本地震で被害を受けた故郷への思いを込めて奮闘した。圧勝の流れをつくる先制ゴールなど2得点。「熊本の皆さんに、感謝の思いを形で表現しようとファーストゴールを狙っていた」。五輪予選を兼ねた昨年12月のアジア選手権最終戦で中国を16-10で破り、32年ぶりの五輪切符を獲得。今度は派手なゴールラッシュで返り討ちにした。
欧州遠征中に発生した熊本地震。帰国したその足で、被災した熊本県益城町や実家のある熊本市に向かった。避難所となった母校の高平台小などに水や所属先の菓子を届けると「逆に皆さんから頑張ってと励まされ涙が出た」。即席サイン会を開き「結果を残すことが少しでも元気を与えることにつながる」と痛感。直後のグアム合宿では1日9時間の猛練習に熱が入った。
84年ロサンゼルス五輪は12チーム中11位。リオでは8強を目標に掲げる闘将は「アジア勢に勝つのは当たり前。世界で勝負することを目指している」と意気込んだ。