白鵬、駄目押し!?審判部は“セーフ”
「大相撲夏場所・4日目」(11日、両国国技館)
横綱白鵬が初対戦の正代を豪快に押し出して4連勝。これで初顔には27連勝と綱の意地を見せつけた。土俵際では審判部から禁止されている駄目押しとも見える動きを見せたが、審判部の判断は“セーフ”だった。横綱鶴竜、大関稀勢の里と豪栄道も4連勝。今場所からルーティンの「ホウッ」をやめた新関脇琴勇輝が初白星を挙げた。
館内にこだまする「正代コール」に白鵬の闘争心が臨界点に達した。立ち合い、右の強烈な張り手一発で正代はクラクラ。間髪を入れずに左ののど輪で戦意を失った相手を土俵外へ押し出した。これで勝負あり。ここまでは問題なかったが、この直後に両手で正代の体を突いた。
えっ、駄目押し!?館内がどよめいたのも当然だった。白鵬は先場所の嘉風戦、隠岐の海戦で悪質な駄目押しをし、今場所前の力士会で審判部首脳から二度と駄目押しをしないよう注意を受けたばかり。再び駄目押しを繰り返すようなら、先場所受けた厳重注意以上の厳しい処分もあり得る状況だった。
だが、注目された審判部の判断は“セーフ”だった。二所ノ関部長(元大関若嶋津)は流れの中の動きと判断。「張り差しに行って(体が)止まらなかった。少しは押しているように見えたが、注意するまではいかない。師匠を呼ぶ?全然ない」と話した。
今場所は審判部が駄目押しはもちろん立ち合いの手つき不十分、故意の待ったなどに厳しい目を光らせており、これまでのような身勝手は許されない。白鵬は「(正代コールは)何でもない。土俵際はしっかりと?まあ、いきすぎず、緩すぎず、ちょうどよかった」。大事に至らず、ほっとした様子だった。