白鵬V37 1000勝がモチベーションに
「大相撲夏場所・14日目」(21日、両国国技館)
白鵬が日馬富士との横綱対決を寄り切りで制して14勝目を挙げ、1敗で追っていた大関稀勢の里が横綱鶴竜に敗れたため、千秋楽を待たずに、史上最多を更新する2場所連続37回目の優勝を果たした。2連敗となった稀勢の里は次の名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)を綱とり場所にするためにも、千秋楽の日馬富士戦に必勝を期す。
勝ち残りの土俵下で白鵬は37回目の優勝を手にした。ライバル稀勢の里が鶴竜に寄り切られた瞬間、重苦しい緊張感から解き放たれた。「こういう形での優勝は久しぶりです。優勝は優勝ですから素直に喜びました」と感慨に浸った。
取組では日馬富士を圧倒した。立ち合い相手の素早い動きに右下手一本で応戦。右四つに組み止めた後、右下手投げで揺さぶって寄り切った。最近は右肘のサポーターを外せないなど故障がちで「何場所か前からあちこち痛めていましたが、何とかなりました」と胸をなで下ろした。
大鵬の歴代1位の優勝回数32回(当時)を更新以降の目標は通算勝ち星数1000勝到達。この日986勝目を挙げたことで、次の名古屋場所で達成が可能となった。「大鵬さんの記録を抜いてから目標を見失ったけど、1000勝が次のモチベーションになった。この記録が(自分を)別人にしてくれた」としみじみ話した。
29日は故郷モンゴルの大先輩と慕う大島親方(元関脇旭天鵬)の断髪式。当日は異例の2度の土俵入りを披露することになっており「一大イベントですから。明日も勝って全勝で花を添えたい」。千秋楽は12回目の全勝優勝で締める。