女子48キロ級・近藤、五輪王者破りV
「柔道・マスターズ大会」(27日、グアダラハラ)
リオデジャネイロ五輪代表で女子48キロ級の近藤亜美(21)、同52キロ級の中村美里(27)=ともに三井住友海上=が優勝した。決勝で近藤はロンドン五輪覇者サラ・メネゼス(ブラジル)に、中村はナタリア・クジュティナ(ロシア)に抑え込みで一本勝ち。2人とも4試合で相手に一度もポイントを許さなかった。五輪2連覇を狙う女子57キロ級の松本薫(ベネシード)は初戦の2回戦で連珍羚(台湾)に一本負け。男子60キロ級五輪代表の高藤直寿(パーク24)も初戦で一本負けした。
異国で優勝する喜びは格別だった。女子48キロ級を制した近藤は「海外で勝てないとずっと言われてきて(らく印を)払しょくしたかった。本当にうれしい」。メキシコ名物のつばの広い帽子をかぶった表彰式で、子供のような笑顔を浮かべた。
鬼門を乗り越えた。昨年2月にドイツで行われたグランプリ大会や1年前のモロッコでのマスターズ大会、今年2月のグランドスラム・パリ大会など「トラウマだった」と言うほど負けている国外での初戦。緊張で動きが少し硬くなったが、冷静に最後まで相手の技をさばいて指導一つの差で逃げ切った。
重圧から解放されたように、そこから躍動した。「払い腰しかないイメージから抜け出せるようにしたかった」と果敢に仕掛け、全て違う技で頂点へ。ロンドン五輪女王のメネゼスを抑え込んで破った決勝など「自分の柔道を相手に押しつけることができた」と、内容も伴う優勝だった。
21歳ながら世界選手権では一昨年優勝、昨年3位と実績はある。夢は五輪の金メダル。「自信をつけることができたのは大きい。弾みになる」と、残り2カ月強に迫った大舞台をにらんだ。