日本五輪へ崖っぷちイランに敗れ3連敗
「バレーボール男子・リデジャネイロ五輪世界最終予選、日本1-3イラン」(1日、東京体育館)
2大会ぶりの五輪出場を目指す世界ランク14位の日本は、同8位のイランに1-3で敗れ、3連敗で1勝3敗となった。勝ち点は3のままで7位に低迷。2日のオーストラリア戦に敗れれば、他国の結果次第でリオ五輪切符獲得の可能性が消滅する崖っぷちに追い込まれた。14年世界選手権覇者のポーランドが4連勝で首位。フランス、イランが3勝1敗で続いている。
会場を包む黄色い歓声は、三度深いため息へと変わった。アジア最強のイランに第2セットこそ奪ったものの、最後の詰めが甘く痛恨の一敗。3連敗で、2日にも五輪出場が消滅する絶体絶命の窮地に追い込まれた。
チーム2位の18得点をマークした石川は「取り切らないといけないところで取り切れない。これが実力」と、唇をかみしめた。地力に勝るイランに、日本は石川、清水を中心とした攻撃で対抗。得点源の1人、柳田が右足を痛めるアクシデントに見舞われたが、ほとんどのセットで終盤まで競る展開を作った。
しかし、大事なポイントは自分たちのミスでことごとく落とした。「流れがつかめない。自分でもなぜか分からない」と石川が首をひねれば、清水は「石川頼みになっている。自分がもっと頑張らないと」と自戒した。
もう後はない。南部監督は試合後、選手たちを集めて、約10分間の緊急ミーティングを行った。2日のオーストラリア戦に敗れれば、他国の結果次第で2大会ぶりの五輪は夢と消える。空前のフィーバーの中にある男子バレー。石川を中心とした若い選手が人気に火をつけ、連日超満員の観衆が選手たちに声援を送っている。この熱狂を一過性のブームで終わらせてしまうのか。「切り替えてやるしかない」と石川。奇跡は信じた者にしか起こせない。