バレー五輪消滅…次期監督は荻野氏有力
「バレーボール男子・リオデジャネイロ五輪世界最終予選、日本0-3オーストラリア」(2日、東京体育館)
世界ランク14位の日本は同13位のオーストラリアに0-3で完敗し、1勝4敗で前回ロンドン五輪に続いて出場を逃した。残り2試合に勝っても、アジアの最上位か、それを除く上位3位以内に入る可能性が消えた。南部正司監督(48)の退任が濃厚となり、20年東京五輪へ向けて、次期監督には08年北京五輪で主将を務めた荻野正二氏(46)を軸に調整を進める方向であることが分かった。ポーランドはベネズエラに快勝し、5連勝で本大会出場権を獲得した。
リオへの望みが消えた瞬間、今大会の主役はコートの外にいた。全試合に先発してきた20歳のエース石川が、第1セット途中に右膝を痛め、途中交代。「最後まで立てずに悔しい。勝負どころで決められなかったので、こういう結果になった」と唇をかみしめた。
12年ロンドン五輪を逃した後、再建を託されたゲーリー・サトウ監督が、不振により14年2月に解任。後を受けた南部監督は、石川を中心とした若手を積極的に起用し、昨年のW杯で躍進するなど成長を遂げてきた。
しかし、4年に1度の大勝負で力を発揮できなかった。指揮官は「この大会の独特な圧力もあったのかもしれない」と話し、「若手をいかに育てるかが私の使命だった」とうつむいた。
20年東京五輪に向けて強化体制も刷新する。小田勝美男子強化委員長は、時期は未定ながら辞意を表明。南部監督も退任が濃厚で、後任は白紙ながら、実績のある荻野氏らを中心に人選を進めていくとみられる。
この無念は4年後への布石にするしかない。「今回は若手として臨んだけど立場は変わる。サーブ、レシーブ、ブロック…すべてにおいてスキルアップしないといけない」と石川。開催国を背負って立つ“絶対エース”へと上りつめる。