萩野リオ入り「人生をかけた舞台」 金メダル獲得へ瀬戸との対決「楽しみたい」

 リオデジャネイロ五輪競泳男子400メートル個人メドレーの金メダル候補、萩野公介(21)=東洋大=が29日、リオ入りした。約2カ月間の欧州での調整を終え、予想される寒さへの自信をみなぎらせるとともに、「五輪独特の空気を感じながら準備をしたい」と気持ちを高ぶらせた。金メダルを争うライバルの瀬戸大也(22)=JSS毛呂山=も25、26日に一度リオ入りした後、直前合宿地のサンパウロに戻り、再びリオ入り。試合会場のプールで練習した。

 決戦の地に、エース萩野が降り立った。「早く泳ぎたい。トレーニングは十分積んできたし、やれることは全部やってきたつもり」。2カ月間の欧州修行を終え、みなぎる自信が自然と笑顔になってあふれた。

 高校3年だった前回のロンドン大会は、勢いにも乗って銅メダルを獲得。今回は金メダルの本命としての重圧がかかる。「4年に一度の人生をかけた舞台なので、やってきます」と期待を力に変える覚悟だ。

 悪条件もどこ吹く風だ。今大会は、決勝が現地時間の夜10時開始と遅く、気温が30度近い日中に比べると、20度前後まで下がる。試合会場はシートで覆われているものの完全な室内ではなく、外気が入るため、寒さが予想される。それでも「僕は寒さが大好きなので、暑いよりもいい」と胸をたたいた。

 昨年の世界選手権は、直前の合宿で右肘を骨折し出場を断念。「(他の代表選手は)みんな選手村に入っているけど僕は入っていない」。ようやくスタートに立ち、「ここまで来られたので、泳げる幸せをかみしめながら全力を尽くしたい」と悔しさを爆発力に変える。

 瀬戸との金メダル一騎打ちが予想される。「もちろん大也とは競ることになると思う。そのために準備してきたし、楽しみたい」と闘志を燃やした。

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