北の湖、千代の富士…相次いで旅立った名横綱
大相撲の第58代横綱千代の富士の九重親方=本名・秋元貢=が、都内の病院で死去したことが31日、分かった。61歳だった。九重親方は昨年6月に早期のすい臓がんの手術を受け、1カ月ほど入院していた。昨年は第55代横綱の北の湖理事長が死去。歴史に大きな足跡を残した大横綱が、相次いで天国に旅立った。
九重親方は現役時代、「ウルフ」の愛称で親しまれ、120キロ台と小兵ながら豪快な上手投げで巨漢力士を投げ飛ばすなど、絶大な人気を誇った。1981年名古屋場所の千秋楽で横綱北の湖を破って2度目の優勝を果たし、第58代横綱に昇進した。91年夏場所限りで現役を引退するまで、史上3位の幕内優勝31回、史上2位の通算1045勝。88年夏場所7日目から同年九州場所14日目まで、昭和以降では歴代3位となる53連勝の記録も残した。
昨年11月20日、直腸がんによる多臓器不全のため62歳で死去した北の湖理事長は、優勝24回を誇った。74年7月に史上最年少の21歳2カ月で第55代横綱に昇進し、85年初初場所で引退するまで、幕内24回優勝を果たした。横綱在位63場所は史上1位。横綱として挙げた670勝は、今年の春場所で白鵬に抜かれるまで、史上最多だった。
土俵に生きた2人の名横綱。ともに60代前半の、あまりに早すぎる死だった。