Bリーグ開幕!千葉・富樫 一番の目標はリーグ初代王者&東京五輪
バスケットボール男子の新リーグ、日本プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」がA東京-琉球戦(東京・国立代々木競技場)で22日に開幕する。開幕戦はフジテレビの地上波と、NHK-BS1の2局同時で生中継される予定。バスケットボール界にとっては歴史的な日となる開幕を前に、日本代表経験もある167センチの注目プレーヤー、PG富樫勇樹(23)=千葉=に迫った。
2メートルを超える長身選手がゴール下に君臨する中、167センチの小兵、富樫勇樹がドリブルやパスで相手をかき乱し、躍動する。針の穴を通すようなパス、正確な3点シュートも武器だ。「小さいどころじゃないんですよ、正直。あと10センチ高ければなって毎日思ってる。でも小さいからこそ、得点を取れる選手を目指してる。それがないと生き残れない」。人一倍の前向きさと貪欲さが、競技生活を支えている。
小学1年でバスケを始めて以来、挑戦の人生だ。中学で全国制覇。英語もあまり話せなかったが「行って損することはない。常に上を目指したい」と、高校から本場米国のモントロス・クリスチャン高に進学した。もともとシャイで人見知りだったというが、今では海外の選手とでも臆することなく話せるようになった。
卒業後は一度bj秋田でプレーし、14年に再び渡米。同年10月にNBAダラス・マーベリックスと契約した。直後にNBAの育成リーグであるデベロップメントリーグ(Dリーグ)に移ったが、田臥勇太(栃木)に続く日本人2人目のNBA契約選手となった。
現在も欧州を含めた世界挑戦の道を探り続ける。「高校の時は、NBAなんて夢にも思えないくらい力の差を感じた。今も遠いことは変わらないけど、Dリーグで戦えたのは自信になった。タイミングや運、実力も含めて、絶対に入れない場所ではないのかなって思いもあるんです」。今季も千葉か米国Dリーグ移籍か、最後まで悩んだ。その上で、自身が成長できる場所だと判断し残留を決めた。
富樫の「今の一番の目標」は、20年東京五輪だ。「リーグ戦で結果を残して、代表に入れるようにって思いは強いです。小さくても、呼んでもらえる選手になるしかない」。リオ五輪は熱心にテレビ観戦。感動したのは女子レスリングの登坂、伊調、土性の逆転金3つ。「卓球は見てたらやりたくなった」と、観戦後は友人と卓球場へと向かったという。
いよいよBリーグが開幕する。「自分は(bjとNBL)両方のリーグを経験してきたし、一緒になって良かった。いいところを取っていけば、きっといいリーグになると思う」。目指すのは「もちろん優勝」。世界を見据える23歳は、初代王者の称号を欲している。