“もろ刃の剣”使いこなした紀平梨花 史上7人目のトリプルアクセル成功

 今季からフィギュアスケートのジュニアグランプリシリーズに参戦している14歳の紀平梨花(関大KFSC)が24日のスロベニア大会フリーでトリプルアクセル(3回転半)に成功。12月のジュニアGPファイナルへの出場を決めた。

 過去に世界スケート連盟公認大会の女子で6人、日本人では伊藤みどり、中野友加里、浅田真央の3人しか成功していなかった大技に、13歳だった昨秋の練習中に成功。シリーズ開幕前には半分近く成功するほどになっていた。

 全日本女王、宮原知子(関大)と同じ浜田美栄コーチの門下生。「(トリプルアクセルは)できる人が少ないので、これから生かせるジャンプ。今のうちにしっかり跳んでおきたい」。おっとりとした口調の陰に、芯の強さが垣間見える。

 大きな得点源となるトリプルアクセルだが、特に女子にとっては“もろ刃の剣”でもある。体への負荷も大きく、失敗すればプログラム全体へ大きなダメージを及ぼすこともある。6種類のジャンプで唯一前向きに踏み切るアクセルジャンプは大きな恐怖心も伴う。

 しかし、紀平にはその怖さが小さい頃からなかったという。浜田コーチは、ダブルアクセルに挑んだ3年前に、他のジャンプと同じスピードで踏み切ったのを見てすでに資質を感じていた。今回成功した大技はGOEで加点が付くできばえ。見事に“もろ刃の剣”を使いこなしたと言える。

 シリーズ開幕前には、練習での単独ジャンプではなくプログラムの流れの中でトリプルアクセルを入れる難しさを口にしていた紀平。「曲の中で決めなきゃと思うと、こうやったら跳べるという記憶が飛んでいってしまう感じがする」と課題を掲げていた。

 しかし、フリー曲「ラプソディ・イン・ブルー」の冒頭で流れるように決めたトリプルアクセルには、スロベニアの観客から大きな歓声が起こった。年齢制限で2018年の平昌五輪は出場できないため、目指すは2022年北京五輪。伝家の宝刀を目指し、中学2年生の挑戦は続く。(デイリースポーツ・船曳陽子)

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