山県&ケンブリッジ 9秒台は来季に持ち越し…体調不良で両者棄権
「陸上・いわて国体」(8日、北上総合運動公園陸上競技場)
成年男子100メートルが行われ、リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレー銀メダルの山県亮太(24)=セイコーホールディングス=は冷たい雨が降りしきる中、予選を10秒48(無風)で走り準決勝進出を決めたが、その後、体調面を考慮し準決勝を棄権した。同じく出場予定だったケンブリッジ飛鳥(23)=ドーム=も体調不良で欠場。有力選手たちがシーズンを終え、日本陸上界の悲願である9秒台は来季にお預けとなった。
間近に迫ったと思われた悲願は、来季へ持ち越しとなった。9月末の全日本実業団で日本歴代4位の10秒03をマークした山県と、日本選手権覇者ケンブリッジのリオ五輪400メートルリレー銀メダルメンバーの激突で、日本人初の100メートル9秒台が期待されたが、山県は予選突破後に準決勝を棄権、ケンブリッジは腹痛で予選を前に欠場が発表された。アナウンスが流れると、会場の観客からはため息が漏れた。
冷たい雨が降る悪条件の中、山県は予選に出場。10秒48で突破し「雨で寒いけど、記録を出していくレースをしたい」と意気込んでいたが、その後、太ももに張りが出て大事を取った。山県、ケンブリッジともこれが今季の最終戦。自己ベスト10秒01の桐生祥秀(東洋大)は先月の日本学生対校でシーズンを終えており、夢の9秒台は来季へ持ち越しとなった。
この日、表彰式出席のため会場を訪れていた桐生は、来季に向け来週にも練習を再開することを明かし「期待される分、結果を残したい」と来季の偉業達成に力を込めた。