同大が開幕4連勝 SH大越「平尾さんが助けてくれたのかな」

 「ラグビー・関西大学リーグ、同大45-17関学大」(23日、花園ラグビー場)

 2連覇を目指す同大が7トライを奪って関学大に快勝し、OBで20日に53歳で亡くなった平尾誠二さんに追悼星を捧げた。開幕4連勝を飾り、天理大と並び首位をキープ。平尾氏が在籍していた82~84年度に史上初となる大学選手権3連覇を成し遂げた同大。選手はその時以来となる32年ぶりの日本一奪回を目標に掲げた。

 半旗が掲げられた花園。試合前に黙とうを捧げ、ジャージーの襟に喪章を着けた後輩たちに、天国の平尾氏がそっと味方した。

 マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたSH大越(4年)は言う。「平尾さんが助けてくれたのかな。すごいバウンドの運」。自陣から蹴ったタッチキックがことごとく同大にとって絶好の位置でラインを割った。

 前半13分、ナンバー8末永(4年)がゴール左隅に飛び込んで逆転トライ。同17分、大越も中央突破のトライを決めた。昨季の開幕前、平尾氏が練習を訪問。「もう一回、お前らが新しい強いラグビーを作ってくれ」。残したメッセージを全員が胸に抱き、追悼の開幕4連勝を捧げた。

 山神孝志監督(49)は「僕の思いを選手には託した。平尾誠二さんにもっと褒めてほしかった」と、特別な1勝をかみしめた。2年連続の関西王座、その先には平尾氏の3連覇以来、32年ぶり日本一への挑戦が待つ。大越は「同大ラグビーに僕らが残せるものは絶対に日本一になること」と天国に誓った。

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