稀勢の里 自身初の横綱3連倒 強烈左おっつけで日馬撃破
「大相撲九州場所・12日目」(24日、福岡国際センター)
大関稀勢の里が横綱日馬富士を寄り切って白鵬、鶴竜に続き、自身初の横綱3連倒を果たした。鶴竜が大関琴奨菊を寄り切り1敗をキープし単独トップ。1敗の平幕石浦は勢に敗れ、日馬富士、稀勢の里、石浦の3人が2敗で追う。横綱白鵬は大関照ノ富士に寄り切られ、3敗に後退した。照ノ富士はかど番を脱出した。
横綱を逃し続けた男の意地と執念が爆発だ。日馬富士ののど輪にも稀勢の里は崩れない。強烈な左のおっつけで逆襲し、相手の体を浮き上がらせた。右から抱えて、一気に出て勝負を決めた。
「狙いは良かった。(当たりも)良かった。(左からの攻めは)まあね、自分の相撲を取ろうと思って。とにかく前に出る気持ち」と会心の内容だった。
9日目に大関豪栄道の綱とりの夢を砕くと、10日目から白鵬、鶴竜に続き3日連続で3横綱連破。「どうだろ、まあ、いいや」と言葉少なながら、自身初で、今年初場所の琴奨菊以来の快挙だ。
先場所まで3場所連続で綱とりと、今年の相撲界の主役は間違いなく稀勢の里だった。先場所、豪栄道に初優勝を先を越され、大関陣で未勝利はただ1人となった。今場所での注目度は下がる中、今年最終盤で存在感を見せつけている。
年間勝利で並んでいた相手を直接対決で下し、67勝で1差をつけてトップ。朝稽古では「俺、盛り上げ役?」とおどけていたが、鶴竜を1差で追走し、逆転の初優勝がくっきり視界に入ってきた。来年初場所が再び綱とりとなる可能性も十分。「毎日しっかり集中して思い切ってやるだけ」と、いつも繰り返す言葉に力を込めた。