羽生、コーチと議論恐れず4回転ループ完成 オーサー氏「関係はとても健全」
「フィギュアスケート・NHK杯」(26日・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)
男子フリーが行われ、SP首位の羽生結弦(ANA)はフリーで197・58点、合計301・47点を獲得し連覇を果たした。演技を見届けたブライアン・オーサーコーチは「言うまでもなく、とてもうれしい。満足している。まだ取り損ねているポイントはあるが、この時期はこれでいい」と、笑顔で教え子を称えた。
実は2位に終わったスケートカナダ後、大きな転換点があった。今季から構成に組み込んだ4回転ループの完成を急ぐ羽生と、プログラム全体の完成度を上げたいオーサーコーチとで話し合いの場を持ったという。
羽生は「ブライアンは『トータルパッケージを大事にしなさい』ということだった。自分のスケートの考え方、プログラムへの考え方、自分にとって、ジャンプがどういうものかを話し合った。僕としてはジャンプが決まらないとトータルパッケージじゃないと伝えた。スケートカナダまではジャンプのためのスケートをやっていたけど、カナダで課題を達成できたので、NHK杯まではスケートとジャンプを一体化させていこうということになった」と、説明。オーサーコーチも「彼は賢い選手で、もう五輪イヤーに目を向けている。今のうちに4回転ループをモノにしたいんだ」と歩み寄り、「ようやく細かいところにも気がいくようになった。これからどんどんよくなる」と、今後に向けての収穫を強調した。
師弟関係は4年目。18年には連覇の懸かる平昌五輪が控える中、「4年目にしていうのもなんですけど、コミュニケーションの壁がだいぶ垣根のないものになってきた」と羽生が話せば、オーサーコーチも「2人の関係はとても健全だ」と、改めて絆を確認したようだった。