卓球プロ化へ「Tリーグ」設立 2018年の開幕を目指す
日本卓球協会が将来的なプロ化を視野に、新リーグ設立を検討していることが3日、関係者の話で分かった。2018年中の開幕を目指す。リオデジャネイロ五輪での日本選手の活躍で高まった注目を生かし、20年東京五輪に向けた競技力向上やファン拡大につなげる狙いがある。名称は「Tリーグ」などの案が挙がっている。
新リーグは、実業団による既存の日本リーグをベースにし、1部は男女とも6~8チームで構成する予定。新たにサッカーのJリーグクラブなどからの参加も募る。方式はホームアンドアウェー方式の団体戦で、名称は「Tリーグ」などの案が挙がっている。
将来的には下部に都道府県リーグなどを整備し、地域密着で全国的な広がりを持つ仕組みを目指す。10日の理事会で承認されれば、来年4月をめどにリーグの統括組織を発足させる。
新リーグ設立は日本卓球界が長年目指してきたプロリーグ発足への試金石となる。リオ五輪は男子シングルスで水谷隼(ビーコン・ラボ)が銅メダルを獲得し、団体は男女とも表彰台に立った。注目が一気に増した今が改革に踏み切る好機と判断した。
現状では福原愛(ANA)、石川佳純(全農)、伊藤美誠(スターツ)、水谷ら日本のトップは実業団に所属せずに主に海外のツアーを転戦しており、国内でプレーを見られる機会は全日本選手権や国際大会の荻村杯ジャパン・オープンなどに限定されている。しかし、これらの選手が新リーグに参加すれば、国内での人気拡大や普及への効果は大きい。
一方で課題も多い。日本代表クラスの選手は世界ランキングを上げるため、ほぼ一年中、海外ツアーを転戦する。トップ選手の参加を促すには、金銭面の魅力向上のほか、ツアーとリーグの両立を可能とする日程などの体制づくりが欠かせない。