バド賭博処分の西本拳太“みそぎ”V 16年ぶりの学生全日本王者
「バドミントン・全日本総合選手権」(4日、代々木第二体育館)
男子シングルス決勝が行われ、今年4月の違法カジノ問題で日本代表から除外された西本拳太(22)=中大=が、坂井一将(日本ユニシス)を2-1で下し、初優勝した。学生としては2000年の舛田圭太(当時日体大4年)以来となる制覇で、A代表への復帰も確実となった。
いろんな出来事を経験した1年の思いを託したショットが相手コートに突き刺さる。第1ゲームを奪われた西本は、第2ゲームも15-18とリードを奪われた状態から執念で追いついた。最終ゲームは一気に攻勢に出て逆転勝ち。西本は拳を握りながら「イヤ~ッ」っと大きな雄たけびを挙げた。
今年4月の闇カジノ問題が発覚し、無期限の資格停止処分となった田児賢一とともに違法カジノ店に行ったことを自己申告し、日本代表から除外された。自身は賭博行為は行っておらず、埼玉栄高の先輩である田児に連れられ店でジュースを飲んだだけだったが、「人生が終わるまで黙っているのは無理」と自己申告したという。
中大からは1カ月の活動停止処分も受けた。4連覇が懸かっていたインカレでは優勝を逃し、自らの意思で頭を丸めた。ボウズ頭で“みそぎ”の日本一に輝き、「いろいろあった1年。すべてひっくるめて全日本総合に懸けてきた。優勝したい気持ちが誰よりも強かったと思う」と胸を張った。
悲願のタイトルを獲得し、「次は世界の大会で優勝しないと行けない。2017年はスーパーシリーズで優勝できるように頑張りたい」と意欲。
小学生時代から、しのぎを削ってきた同学年の桃田賢斗(NTT東日本)は無期限の大会出場停止処分で、復帰は来年5月以降とみられているが、「(もし処分が解除されたら)来年は桃田選手に勝って優勝したい」と挑戦状を送った。