沙羅 開幕から連勝 通算46勝目!鳥人・ニッカネンに並んだ
「ノルディックスキー・W杯ジャンプ」(3日、リレハンメル)
開幕戦を制した高梨沙羅(20)=クラレ=が1回目に95・5メートル、2回目に最長不倒の98メートルを飛び、合計268・1点で優勝した。W杯通算46勝目で、ジャンプの男女を通じて歴代2位のマッチ・ニッカネン(フィンランド)に並んだ。ニッカネンは80年代に活躍し、「鳥人」と呼ばれた男子の名選手。伊藤有希(土屋ホーム)は2回とも95メートルの255・4点で2戦連続2位だった。
「鳥人」に並んだ。高梨は1回目に95・5メートルを飛んでトップに立つと、2回目も最長不倒の98メートルをマークして、開幕戦に続き完勝した。男子の往年の名選手ニッカネンに勝利数で並び「実感が湧かない」とはにかんだ。
2日の開幕戦は2回ともトップの飛距離をマークし「初戦に勝てて自信になった」と手応えを深めた。助走路の滑りと踏み切るタイミングの感覚をつかんだと言う女王は、この日も圧倒的な飛躍で頂点を譲らなかった。
15歳だった12年3月にW杯初勝利を挙げて以降、驚異的なペースで白星を重ねてきた。出場75試合で46勝。勝率は6割を超え、表彰台を逃したのは9戦だけ。女子で勝利数2位のヘンドリクソン(米国)はまだ13勝。高梨の強さは群を抜く。
男子とは歴史や選手層の厚さが違うこともあり、本人は「W杯総合優勝は目標だけど(通算勝利数の)記録を超えたいとはそんなに考えていない」と意識はしていない。自然体で優勝を重ねていく構えだ。
参考にするのは男子のジャンプ。いつかは男子の試合に出ることも夢見る。進化を貪欲に求める20歳は「記憶に残る選手になりたい」と宣言した。