初優勝狙う無良がSP首位発進 羽生不在の中「存在感を示せた」
「フィギュアスケート・全日本選手権」(23日、東和薬品ラクタブドーム)
男子ショートプログラム(SP)が行われ、初優勝を狙う無良崇人(25)=洋菓子のヒロタ=は、昨年大会の自己ベスト93・26点に迫る90・34点をマークし首位発進を決めた。GPファイナル3位の宇野昌磨(19)=中京大=は、2つの4回転ジャンプにミスが出て、88・05点で2位。NHK杯3位の田中刑事(22)=倉敷芸術科学大=が85・68点で3位につけた。
豪快なジャンプを武器とする25歳が、初の日本一を視界にとらえた。冒頭に4回転トーループを着氷させると、一気に波に乗った。力強い滑りでSP「ファルーカ」を完遂。4連覇中の王者、羽生結弦がインフルエンザで欠場し、混沌となった優勝争いの主役に躍り出た。「ユヅ(羽生)がいない中でどれだけ自分が存在感を出せるかだと思っていた。表現としてはそれが達成できたSPだったと思う」と、納得の表情でうなずいた。
ただ、2位の宇野との差は、わずか2・29点。これまで3度の3位が最高順位のベテランスケーターは「フリーが本当に勝負になる」と、瞳をギラつかせた。