「フィギュアスケート全日本選手権」（２４日、東和薬品ラクタブドーム）

　女子ＳＰが行われ、元世界女王の浅田真央（中京大）が最後の滑走順で登場し、６０・３２点で８位だった。３連覇を狙う宮原知子（関大）がＩＳＵ非公認大会ながらＳＰ自己ベストの７６・４９をマークし首位。２位は６９・２０点の本郷理華（邦和スポーツランド）。３位は樋口新葉（日本橋女学院）で６８・７４点。ジュニアＧＰファイナルをインフルエンザのため棄権した本田真凜（大阪・関大中）は好演技で６７・５２点を獲得し４位につけた。

　浅田は、約８カ月ぶりに挑戦した冒頭のトリプルアクセル（３回転半）は１回転半になってしまった。その後の３回転フリップ－２回転ループのコンビネーションジャンプと３回転ループは着氷し、ステップでは情感たっぷりの演技で観衆を沸かせたが、得点は上位陣には及ばなかった。

　この日の朝、練習でトリプルアクセルを成功させたことが、挑戦を後押しした。難度が下がるが確実性が高まる２回転半（ダブルアクセル）にするという選択肢も考えられたが「来る前からこの試合は飛びたいという思いは強かったので、ここで飛べなければ入れない予定でしたけど、飛べたので、入れました」と強い決意で挑戦した。結果的には失敗してしまったが、「（トリプル）アクセルのない状態でのショートを終えた時の気持ちよりは、挑戦しようと思って臨めたことはすごく良かったなと思います」と前向きに受け止めた。

　ＧＰファイナル出場を逃し、練習を積み重ねて全日本へ戻ってきた。「練習を積み重ねてきたので不安はなく、まずまずの滑りはできたかなと」と全体的な内容には好感触を得ているようで、「アクセル失敗してしまったんですけど、ほかの部分も大切だと思うので、そういった意味では、なるべく取りこぼしのないようにと意識をしました」とトリプルアクセル以外の演技では地力を見せた。

　フリーでのトリプルアクセル挑戦については「明日の調子、降りたらまた入れたいなと思っているんですけど…。それだけではなくほかの部分も大切だと思うので、すべて大切だと思います」と語った。巻き返しへ「この１年間、練習してきたことだったり、積み重ねてきたものだったり、たくさんの方にも支えてもらったり、サポートしてもらっているので、ファンの方に恩返しできるような演技がしたいなと思います」と思いを込めた演技を誓った。