世羅3連覇ならず…1区痛恨出遅れも王者の意地見せ9年連続入賞
「全国高校駅伝・男子」(25日、西京極陸上競技場発着=7区間)
3連覇を目指した男子の世羅(広島)は、2時間5分49秒で7位だった。主将でチームの柱として期待されていた1区の吉田圭太(3年)が出遅れ、19位スタート。だが、3区のデービッド・グレ(2年)が11人のごぼう抜きを見せるなど、後輩が粘り強い走りを見せ、順位を上げた。これで、世羅は9年連続で8位以内の入賞。快挙達成はならなかったが、王者としての意地を見せた。
諦めなかった。目標の3連覇は厳しくても、9年連続の入賞を逃すわけにはいかなかった。懸命につないだタスキを受け取ったアンカー・前垣内が7位でゴール。出迎えたチームメートに抱えられながら号泣した。
王者の重圧からか、立ち上がりから乱れた。予期せぬ1区・吉田の大失速。「練習では調子が良く、いけると思ってスタートラインに立った。自分でもなぜか分からないが、1キロ過ぎたぐらいから思ったように体が動かなかった」。本調子とは程遠い走りで19位と大きく出遅れた。
巻き返しへ、驚異的な走りを見せたのは3区のグレだ。15位でタスキを受け取ると、11人のごぼう抜きを披露。一気に4位へ押し上げた。その後は順位を落としながらも、後続が粘り強い走りで8位以内の入賞を死守した。
14、15年と頂点に立ち、周囲の期待度は大きかった。唯一、連覇を経験した主将の吉田は「みんなにも優勝を味わってもらいたかったのですが、苦しい大会にしてしまった。後輩にはこの悔しさを来年、再来年に生かしてもらいたい」と唇をかみしめた。
岩本監督は「最低限の目標はクリアできた。若いチーム。明るい未来が待っている。もう一回初心に帰ってやっていきたい」と前を向く。日本一奪還へ、準備はもう始まっている。