新関脇の正代、初日白鵬戦にのけぞり「ケガなく生還」

 「大相撲初場所」(8日初日、両国国技館)

 日本相撲協会は6日、初場所の取組編成会議を開き、初日と2日目の幕内取組などを決めた。九州場所で優勝した横綱鶴竜(31)=井筒=は初日に栃ノ心、2日目で松鳳山の挑戦を受ける。新関脇正代(25)=時津風=は、初日に横綱白鵬(31)=宮城野=との一番が組まれ、弱気発言を連発しながらも「重要な一番。前に攻めたい」と意欲を語った。

 目をつぶって思わずのけぞった。時津風部屋(東京都墨田区)での朝稽古後、初日の相手が白鵬になったことを、師匠の時津風親方(元幕内時津海)から聞かされた。「結局は当たるから、びっくりもしない」と当初は平常心を強調したが、次第に「年が明けてから、5番くらいしか勝ってない」「けがなく生還したら、いいんじゃないすか」とネガティブな正代節が止まらなくなった。

 本場所での白鵬との対戦は、昨年の夏場所のみ。いきなり右で顔面を張られて「前が見えなくなって」上体がグラリ。そのまま押し出され、土俵下に転がり落ちた。「張られるのが分かると、どうしても顔が避けちゃう」と、立ち合いで植え付けられたイメージは強烈そのものだった。

 昨年末の横綱審議委員会(横審)による稽古総見でも、10番で全敗と力の差を思い知らされたばかり。それでも「胸を出していただいた成果を、横綱に感じてもらえるように頑張る」と意地をのぞかせる。

 この日、出稽古の幕内蒼国来を相手に2勝7敗。普段からの稽古での勝負弱さを振り返る姿を、時津風親方が苦笑いで一喝した。「勝つとしたら、一気に出るしかない」とアドバイスももらい、気合を入れ直した。

 初顔合わせの「片手しか触ってない」という惨敗を糧に、つかんだ新三役での初陣。白星が恩返しとなる。

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