横審 稀勢の里の昇進「あり」精神面充実!白鵬戦「重要視しなくていい」

 「大相撲初場所・14日目」(21日、両国国技館)

 大関稀勢の里が初優勝を果たしたことを受け、横綱審議委員会の守屋秀繁委員長(千葉大名誉教授)は今場所後の横綱昇進に前向きな姿勢を示した。「委員会で審議はするが、私の予想では皆さん反対しないだろう」と横綱審議委員会が開かれた場合、賛成が多数を占めるとの私見を述べた。千秋楽に白鵬戦を残すが、「横綱稀勢の里」誕生への流れは揺るぎないものになりつつある。

 横綱稀勢の里誕生へ守屋委員長が“お墨付き”を与えた。「最高のシナリオ。稀勢の里は大活躍だ。委員会で審議はするが、私の予想では皆さん反対しないだろう」。横綱昇進を諮る横綱審議委員会が開かれた場合、賛成が多数を占めるとの見通しを示した。

 角界待望の日本出身横綱誕生への機運は、これ以上ないほどに高まりつつある。

 「落ち着きは今までなかった。ニタニタしたり、ぱちくりしたりがほとんど見られなかった」と守屋委員長は精神面の充実ぶりを高く評価。以前に白鵬が「宿命のある人が横綱になる」、鶴竜が「一つ足りない」と評していたが、稀勢の里になかったものが埋まったと見ている。

 琴奨菊に唯一喫した黒星についても「15日やってますからね。全勝ってすごい難しいらしいよね。だから。いいじゃない」と不問の考え。また鶴竜、日馬富士、豪栄道と2横綱1大関が休場し、照ノ富士が負け越し、琴奨菊は大関陥落と上位陣が総崩れだった状況での奮闘にも触れ、「そういうところで稀勢の里がよく頑張ったと評価したいよねえ。ありかなあというふうに思いますけどね」と称賛を惜しまなかった。

 審判部は千秋楽の取組前に臨時会議を開き、臨時理事会招集へ意思統一を図る。八角理事長(元横綱北勝海)は「とにかく明日の一番。勝ってからだ」と白鵬戦の結果を踏まえて判断する姿勢を示したが、守屋委員長が「14勝した方がいいが、もうよろしいのではないか。(白鵬戦は)重要視しないでいいのでは」と述べたように、大勢は「横綱稀勢の里」へと傾いている。

 これまで優勝を争う局面で何度もはね返されてきた白鵬をねじ伏せて、有終の美を飾れば、どこからも異論は出ないだろう。千秋楽。勝って横綱の座をその手でつかみ取る。

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