稀勢の里 連勝!白鵬破った正代に格の違い見せた

 「大相撲春場所・2日目」(13日、エディオンアリーナ大阪)

 新横綱の稀勢の里は小結正代を押し出し、2連勝とした。初日に白鵬を破ったホープの攻めを受け止め、最後はねじ伏せる2日連続の横綱相撲だった。白鵬は平幕の蒼国来を寄り切り、日馬富士は平幕の勢をはたき込んで初日を出し、豪風を寄り切った鶴竜を含めて4横綱は安泰だった。4横綱がそろって勝つのは26年ぶり。10勝すれば大関復帰の関脇琴奨菊は平幕の貴ノ岩を寄り倒し、2勝目を挙げた。

 漂う風格。稀勢の里は最後、どっしりと腰を落とした一押しで正代を土俵外に飛ばした。初日に白鵬を撃破し、勢いに乗る大関候補の挑戦を存分に受け止め、格の違いを見せ付けた。

 立ち合い、踏み込まれて後退したが、こらえて反撃に出た。代名詞の強力な左のおっつけがさく裂。相手を起こすと、正面から一気にパワーで押し出した。

 正代が力をつけているか?と問われると「うん、そうですけど」と認めながら、攻めに動じることはなかった。「しっかり集中してやりました」と、満足顔を浮かべた。

 浪速は19年ぶりに誕生した日本出身横綱に、空前のフィーバーぶり。この日の朝稽古では「いろいろあったし、いつもより疲れもある」と話し、緊張はやはり普通でなかった。

 初日の横綱土俵入りも映像でチェックした。「何が正解か分からないけど、いいやと思って」と開き直り。この日の土俵入りは「きのうより、いいんじゃない?」と自画自賛した。

 17年ぶりに幕を開けた4横綱時代は、全員が白星を挙げた。安泰については「いいことなんじゃないの?」と貫禄の口ぶり。ほかの横綱は気にならない。「一日一日、しっかりやっていますから」と力を込めた。

 朝稽古を終えると、左目尻の抜糸をした。場所前の6日に、嘉風との稽古で頭がぶつかって裂傷を負い、約10針も縫った箇所。わずか1週間で、傷はほとんどふさがった。「肉体は25歳」と言うように回復力、代謝が若い。

 「顔はね、大丈夫」。唯一の不安材料だった!?“色男”も復活。角界の顔は、さらに全開に新横綱Vへと突き進む。

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