国民栄誉賞の羽生結弦「修練怠ることなく」 被災地への思いもにじませ…
2月に開催された平昌五輪で66年ぶりの五輪連覇を成し遂げたフィギュアスケート男子の羽生結弦(23)=ANA=が1日、国民栄誉賞を受賞することが決まった。菅義偉官房長官が記者会見で明らかにした。授与式は7月2日に首相官邸で行われる。
これを受けて羽生は「大変名誉ある賞を頂き身に余る光栄です。私がスケートを続けていられることも、日本のフィギュアスケートがこれほど脚光を浴び続けていることも、フィギュアスケート界の偉人の方々がこれまで切り開いてくださったからこそだと感じております」などとコメントした。
1994年、宮城県仙台市生まれの羽生は、姉の影響で4歳でスケートを始めた。16歳のときには東日本大震災で被災。19歳で臨んだソチ五輪でフィギュアスケート男子としては史上2番目に若い、アジア人初の金メダリストとなった。
平昌五輪での金メダルも、大きな試練を乗り越えてのものだった。昨年11月のNHK杯(大阪)で4回転ジャンプの着氷に失敗し、右足首を故障。約2カ月、氷上で練習ができず、一時は出場すら危ぶまれた。しかし約4カ月ぶりの実戦で劇的な復活を果たし、日本中に感動をもたらした。
【以下、羽生コメント全文】
「大変名誉ある賞を頂き身に余る光栄です。私がスケート続けていられることも、日本のフィギュアスケートがこれほど脚光を浴び続けていることも、フィギュアスケート界の偉人の方々がこれまで切り開いてくださったからこそだと感じております。そして、冬季競技として、今回の平昌五輪において、多くの方々の素晴らしい活躍があったからこそとも感じております。
また、被災された方々からのたくさんの激励や想い、今まで一人の人間として育ててくださった全ての方々の想いがこの身に詰まっていることを改めて実感し、その想いが受賞されたのだと思っております。
皆さまの期待を背負い、まだ続く道を一つ一つ丁寧に感じながら、修練を怠ることなく、日々前に進んでいきます。この賞が被災地やスケート界にとって明るい光になることを願っております。育ててくださった方々、いつも応援してくださっている皆さまに心からの感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。」