柔道2世対決は高校生の斉藤ジュニアに軍配 小川ジュニア反則負け
「柔道・講道館杯全日本体重別選手権」(3日、千葉ポートアリーナ)
男子100キロ超級の敗者復活戦1回戦で、1992年バルセロナ五輪95キロ超級銀メダリストの小川直也氏(51)を父に持つ小川雄勢(23)=パーク24=と、1984年ロサンゼルス、88年ソウル両五輪95キロ超級金メダリストで、2015年に54歳で亡くなった斉藤仁氏の次男、斉藤立(たつる、17)=国士舘高=の2世対決が実現した。
2人は初対決。立ち上がりから立が大外刈りを仕掛けながら、前に出た。受ける展開になった雄勢に2分58秒、指導が与えられた。3分59秒に2回目の指導。延長に突入し、最後は雄勢に3つめの指導が与えられ、4分37秒、雄勢が反則負けした。
雄勢は「いろいろ思うことはあるけど、それでも高校生を相手に投げられなかったのは悪い」と振り返り、立については「やっぱり強かった」と評した。
東京五輪の第1次選考会だった今大会。位置づけについて「東京五輪を目指す上で最後のチャンス、という気持ちでいた。五輪を意識してからプレッシャーもあった。研究もされて、思うような柔道が今日もできなかった」と反省し、会場で観戦した父からは「『高校生を投げられなかったおまえが悪い』」と一言、言われたという。
一方、立は試合について「勝てるとは思わなかった。(自分が)年下で、高校生で思い切ってやろうと思った。思った以上にスタミナがきつかった」と振り返った。注目の対決については「そんなに注目されていることは気にせず、ただ目の前の相手ということがあったので、意識はしなかった」と語った。
厳しくなった東京五輪については、「たぶんないと思う。これから一つ一つ、目の前の試合をしっかり勝っていく」と、気持ちを切り替えた。
雄勢は初戦の2回戦で佐藤貴成(近大)に1分20秒、大内刈りで一本勝ち。3回戦は松井海斗(日体大)に2分7秒、支え釣り込み足で一本勝ち。準々決勝では熊代佑輔(ALSOK)と顔を合わせ、2分22秒、背負い投げで一本負けした。
立は初戦の2回戦で木元拓人(日大)に2分1秒、払い腰で一本勝ち。尾原琢仁(旭化成)との3回戦は延長戦にもつれ、9分24秒の激闘の末、大内刈りで一本勝ち。準々決勝は太田彪雅(東海大)と対戦し、2分40秒、内股透かしに屈した。
立は敗者復活戦1回戦で雄勢に勝ったものの、3位がかかった試合で佐藤和哉(日本製鉄)の出足払いによる技ありに涙をのんだ。