琴奨菊 自粛期間で手応え「まだ動けるなという感じ」
「大相撲7月場所」(19日初日、両国国技館)
幕内琴奨菊(36)=佐渡ケ嶽=が11日、千葉県松戸市の部屋で若い衆に胸を出すなどして調整した。稽古後、電話取材に応じ、先場所後、3カ月以上の期間で「しっかり、動ける体を作るのと、あと弱いところがたくさんあるので、そこを直そうかなと思った」との意識で取り組んだ。
新型コロナウイルスによる自粛期間は心の勝負。「気持ちを切らさないこと、常にやっぱり強くなるために考えること。この期間が変わるんじゃないかなと思っていて、しっかり自分なりにはやってきたつもり。勝負師なので、自分を見つめながらやってきた」。
発見もあった。「まだ動けるなという感じ。やっぱり体が弱ったら心も付いて来ないので、戦える体づくりをしてきたことが、気持ちも向かっていくし、という方向になっているので、結果はどうなるかわからないけど、精いっぱいやることはやってきたという感じ」と手応えはある。
17年春場所で大関を落ちてから7月場所で20場所。幕内最年長の36歳、まだまだ闘志は衰えない。「やっぱりすべてにおいて、置きにいかないことですかね。ちょっと難しいけども、なんか慎重になりすぎない、慎重になったらその器でしかやれないので、どんどんどんどんスケールが小さくなるんですけども、できる範囲でキャパを超えてやっていくのが、体も気持ちもきて、前向きになれる」と、勝負哲学がある。
同級生の盟友、元関脇豊ノ島(現井筒親方)が先場所限りで引退。さみしさはこらえ、前だけを向く。「今は現役でやっていて、思い出話をすると、私もそのほうに流されやすいので。自分も(最後に本場所で)やりたかったが、あとのことはゆっくり私が引退してからしゃべりたい」。
豊ノ島引退後、家族ぐるみでテレビ電話をして、互いに中学の頃の映像を見て懐かしんだ。「あとは昔の映像を見て、その頃よくやってきたね、ということは言いましたね。私たちが中学生だったときの全中のムービーですかね。ちょうど団体の決勝戦が、(自身の)明徳義塾対(元豊ノ島の)宿毛の片島中学。自分も豊ノ島も先鋒戦だった。私は負けたが、そのときの懐かしさを感じた。結局、豊ノ島の中学のほうが全国優勝したんですけれども」。
自身はなお現役で戦い続ける。「できることしかできないので。私もいつそうなるか分からないけれでも、やり残しだけはしないようにと思っている。同じ時代を戦ってきた。その強さというのは根っこにあると思う。背負わないけれども、そうやって戦ってきた強さはあるので、それを自信にして頑張っていく」と力を込めた。
部屋には幕内琴ノ若、琴勝峰と生きのいい若手が育ってきた。「自分が気付かされるぐらいに前向き。捉え方も広く捉えていて、この期間にここを鍛えよう、みたいな。流れに対してすごく素直だなと、2人を見ていて思う。自分のほうが逆に焦ってしまう。時間の使い方はどうだったかなみたいになりがちだったが、そのへんもうまく若い力に乗っていきながら調整できた」。若いエキスも吸収し、ベテランがまだまだ元気いっぱいだ。



