若隆景 苦手の貴景勝を逆転で下す 再びトップタイ「思い切って相撲を取りたい」

 「大相撲春場所・14日目」(26日、エディオンアリーナ大阪)

 関脇若隆景が大関貴景勝を寄り切って2敗を守った。平幕高安は大関正代にすくい投げで敗れて2敗目を喫したため、再びトップに並んだ。平幕琴ノ若は大関御嶽海を押し出して3敗をキープ。優勝争いはいずれも初優勝がかかる3人に絞られた。千秋楽は若隆景が正代、高安は阿炎、琴ノ若は豊昇龍と対戦する。正代は8勝目を挙げて、かど番を脱出した。

 また並んだ。若隆景が賜杯レースの先頭に1日で復帰した。前日に敗れた影響を感じさせず、自己新の12勝目を挙げて2敗を死守。こん身の寄りで勝負を決めると、膝に手をやって視線を落とし、白星をかみしめるように一つ息をついた。

 4連敗中と合口の悪い貴景勝との一番。立ち合いでぶちかましをまともに受け、いきなり俵に詰まった。それでも、相手の引きをこらえると一気に前へ。右をねじ込み、左も差してもろ差しから、粘る大関を寄り切った。

 「我慢できたので、勝てたと思います」。優勝争いのしびれる取組で、持ち味を存分に発揮した内容。先に高安が敗れていても「しっかり相撲を取ろうと思いました」と集中を崩さなかった。

 優勝すれば、福島県出身力士としては1972年初場所の栃東(初代)以来50年ぶり3人目。故郷の期待も大きい。千秋楽には、場所中に取組が放映される福島駅西口のマルチビジョン前に後援会関係者らが集まって応援する予定。16日には県内で震度6強を観測する地震があったばかりとあって、福島市役所の担当者は「ぜひ頑張っていただきたい」と、市民に元気を届ける活躍を心待ちにした。

 初体験のし烈な優勝争い。眠れぬ夜が続いても不思議はないが、若隆景は「気がついたら」眠りに落ちているといい、睡眠もバッチリだ。いよいよ迎える千秋楽。「明日は、思い切って相撲を取りたい」。充実一途の新関脇が浪速の春に名を刻む。

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