一山本2敗死守 北海道勢31年ぶりVなるか 師匠の助言で復活「まずは勝ち越し」
「大相撲夏場所・9日目」(16日、両国国技館)
平幕一山本が千代翔馬を突き出し、トップタイの2敗を守った。幕内唯一の道産子力士が北海道勢31年ぶりの優勝チャンスだ。隆の勝、碧山、佐田の海の3人も勝ちトップを平幕4人が並走。横綱照ノ富士は平幕翔猿を豪快なきめ出しで破り3敗を死守し、小結豊昇龍、平幕霧馬山、玉鷲、宇良も3敗で追走する。V戦線は1差に9人がひしめく混戦状態が続く。
休まず攻めてトップを守った。一山本は両手で当たって千代翔馬の体を起こすと、速射砲のような突きを繰り出してぐいぐい前進。一気に土俵の外へ追いやった。
完勝を「手繰られそうにもなったんですけど、しっかり我慢して前に出られたのがよかった」と満足げに振り返った一山本。初日から5連勝後、2連敗と足踏みしたが、師匠の放駒親方(元関脇玉乃島)から「小手先で相撲を取るんじゃなくて、もっと思い切り当たっていけ」と助言を受けて再び連勝。「それがしっかりできていると思う」と手応えを感じている。
勝ち越しに王手をかけ、初めて後半戦で優勝争いのトップに立ったが「まず勝ち越したい」と意識せず。過去2度の勝ち越しは千秋楽で決めたもので、新入幕の21年春は今場所と同じ7勝2敗から5連敗しており、「そういうことがないように相撲を取れれば」と気持ちを引き締める。
出身地の北海道は8人の横綱を輩出した相撲どころで知られるが、近年は低迷し、優勝は91年春場所の横綱北勝海が最後。北海道勢31年ぶりの優勝の期待も膨らむが、地元からは「優勝してくれとは言われないですけど、ケガなく勝ち越してくれとは言われている」という。
中大から北海道福島町役場に就職したが、新弟子検査の年齢制限が緩和されたことを受けて、適用第1号として23歳で公務員から力士に転身。北の大地に遅咲きの花を咲かせるか。



