隆の勝「ここまで来たら取りにいく」 20日敗戦で「吹っ切れた」
「大相撲夏場所・14日目」(21日、両国国技館)
平幕隆の勝が霧馬山を突き落とし、11勝目(3敗)を挙げ、トップタイで千秋楽に初優勝を懸ける。横綱照ノ富士も大関正代を寄り切って一蹴し、3敗で並走。千秋楽、隆の勝は4敗の平幕佐田の海、照ノ富士は大関御嶽海が相手。一方が勝てば勝った方が優勝。ともに勝てば両者による優勝決定戦。ともに負ければ、1差で追う小結大栄翔、佐田の海を含め、最大4人による優勝決定戦にもつれ込む。
いつもニコニコ「おにぎり君」が愛称の隆の勝がスマイル全開で言い切った。「ここまで来たら(優勝を)取りにいく気持ちで頑張っていく」。迷いなく千秋楽決戦に臨む。
前日は緊張でカチコチになり3敗。「負けて吹っ切れた。楽になった」と冷静さを取り戻した。力強い踏み込みから先手を取って攻勢。霧馬山の外掛けを難なくさばいて料理。連敗はせず、トップタイを死守した。
6人兄弟の4人目。千秋楽、千葉県柏市から大家族が応援に来るのかは聞いていない。いつも家族LINEでは激励されるが、今場所は少ない。「気を使ってくれている」と家族みんなの思いをしっかり胸に刻む。
今場所は玄関に目標を書いた紙を貼った。「それを毎日見る。口に出しながら『踏み込みはそっちの足から』と」。会場入り前に復唱して意識付けする。
八角理事長(元横綱北勝海)は「流れが来ている。ずっと積み重ねてきた馬力がある」と評価。見守り続けた師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)は「とにかく人がいい」と人柄にほれ込む。一方で大関とりに関し「心の中では常に(大関を)目指すという気持ちはありますよ」とまな弟子の闘志を感じている。
千葉県出身の優勝となれば1991年名古屋場所の琴富士以来4人目となる。いざ運命の千秋楽。決定戦を含め、二番取る気持ちか?と問われた隆の勝は「そのつもりでいきます!!」と初賜杯奪取を高らかに宣言した。